優しいミルクセーキ
2006-02-25 Sat 08:59
春の風に乗って愛を届ける紙飛行機の後を追って、猫は駆けてきた。
その足取りは、月の砂漠でタップを踏む猫のように軽やかで、陽気だった。
もしも紙飛行機が、地球を半周するまで飛び続けいたとしても、
猫は元気にその後をついていっただろう。
けれども、紙飛行機は夕陽のように静かに沈んでいく。
着陸した砂の上で、一つのグラスが涙を浮かべながらたたずんでいた。
猫は立ち止まり、グラスの中に視線を落とした。
その横顔は、好奇心に駆られ天国の湖を覗き込む猫のようだった。


ミルクセーキという名の
カクテルの中で
あなたの空と あなたの海が
混じりゆく
牧場の中で 木が育つように
ゆっくりと 時間が流れてゆく

ミルクセーキという名の
カクテルの中に
あなたの空と あなたの雲が
とけてゆく
陽だまりの中に 雨が落ちるように
私の記憶が 落ちていく
静かに 静かに 
めまいと共に しずくとなって

白く儚い カクテルの中で
あなたの言葉が 
浮かび とけてゆく
私はただ
見つめるほどに
酔ってゆく
何度も 何度も
見つめるほどに

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