この冬の私の森の中の太陽
2006-02-18 Sat 21:54
魔術師は、まるで誰かに呼び止められたかのように後ろを振り向いた。
振り返った先にあったのは、自分が歩いてきた昨日だった。
魔術師は自分を追いかけてくる昨日と昨日の自分に向かって、魔法の言葉を投げかけた。
雨の音に混じって、昨日の手前側が明日の向こう側に変わった。
けれども、それ以上のことは何も起きなかった。
「狐を化かすほど簡単じゃないんだ」
彼は昨日に追い抜かれないように、森の中を駆け出した。


私の森の中の 太陽は
白い雪の降る 夜の中でも
赤く 輝いている
誰にも奪うことは できないのだ

私の森の中の 太陽は
ひどい雨の降る 夜の中でも
本当は 輝いている
誰にも汚すことは できないのだ

私の森の中の 太陽は
本当は ずっと遠くにあるのだ
手に触れることも できないのだ
それでもいつも 近くにいるのだ
それでもいつも 温かいのだ

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