心 の 隙 間 か ら 出 て お い で
白く騒然とした静寂の中で
2006-02-15 Wed 17:00
「この絵には、まだ何かが欠けている」

画家は、小首をかしげながらパレットの中で絵の具を調合し始めた。
魔術師は、画家の後ろから覗き込むように、何かをつぶやきながら、絵の具に色のない魔法を溶け込ませた。
虹の真下で龍が流す涙のように、絵の具が奇妙な色に混じり始めた。
絵心のない画家から得体の知れない何かが生まれ始めていた。


猛然と進む
猪の持つ時計の中で
振り切れない振り子のように
オレンジ色の夜が光る
私は
騒然とした静寂の中で
揺ぎない不安に包まれる
それは何かわからない
わからないということ以外は
今は ポケットに入れておく
霊気に満ちた幽霊が
この夜をまた飲み込んで
駆けて行く
そして
騒然とした静寂の中で
揺ぎない不安を思い出す
わかってるんだよ
わからないということ以外は
けれども 何かが
まだ欠けている

別窓 | そんな魔術師 | コメント:0 | トラックバック:0 |
世界の梅干し
2006-02-15 Wed 12:25
「世界の梅干しはそんなに甘くはないぞ」
木登りの途中で先生が叫んだ。
言葉の意味を考えるよりも速く、無意味さが駆け抜けていく時、
12時間目のチャイムがはるか遠くから聞こえてきた。
傷ついたクジラの鳴き声のようだった。

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