待ち人待ちきれぬ街
2006-02-07 Tue 17:45
魔術師は、どこへ行くとでもなく、待ち人も待たない街の中を歩いていた。
思い思いのぼろぎれを身にまとった街の人々とすれ違いながら。
今日一日の運勢を占うように、魔法の方位磁石で行き先を占った。
方向はどこにも、示されなかった。全くどこにも。
けれども、思い思いの洋服が重い重い幸福に変わった。
「受け止めるには重すぎる」
鉛を含んだように靴底は重くなり、雨を飲み込んだように魔術師のコートが背丈よりも長くなっていた。
彼は重い決意を着込んだように、待ち人も待たない街の中の一つの道を、歩いていった。
思い思いの幸福へと続く道を。

思い思いの幸福と
自分の中の 思い過ごし
ここでは待ち人も
待ちきれないのだ
この寂しい 大地の上では
待つには 長すぎるし
待たなければ より寂しい
去り際までも 笑ったまま
過ぎ去っていく
この短い 球技の中では
歩くには 短すぎるのだ
それを どう思おうが
それを 何と言おうかな

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