心 の 隙 間 か ら 出 て お い で
裸足の靴音
2006-02-04 Sat 21:44
魔術師は、絶望の夜に降り注ぐワインのように、喜怒哀楽の交じり合って降る雨の中からやってきた。
野良猫の蹴飛ばした長靴が、鉄の意志を受け継いだ磁石のように、魔術師の後をコツコツと着けていた。
魔術師は真実のリトマス試験紙を試すように、雨に魔法を浮かべると、心の隙間にワインの波が訪れるように、猫の姿が揺らぎ始めた。
長靴を脱いだ野良猫が裸足を履いたシャムネコに変わった。
けれども、それ以上のことは何も起きなかった。
「1000年の生活より一日を選ぶほど簡単じゃないんだよ」
猫も履かない長靴を履いて、魔術師は陽だまりにも似た水たまりの上を陽気に駆けていった。

今日は裸足で駆け出して
胸の靴音響かせて
駆け足で 駆けていく
涙まじりに 飛び出して
今日は裸足で駆け出して
けれども 靴紐解け出して
駆け足で逃げていく
声もなくした 鳴き声で
今日は裸足で駆け出して
胸の靴音響かせて

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鬼の豆鉄砲
2006-02-04 Sat 08:05
鬼の角を枕にして眠る勇者のような横顔で、
猫はチョコ棒を枕にして眠っていた。
鬼が豆鉄砲を放つ音に良く似た目覚まし時計の音が、
午前8時を告げた。
朝が、ゆっくりと鬼の角の色に染まり始めた。

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