心 の 隙 間 か ら 出 て お い で
冬のカエル
2006-01-23 Mon 21:25
魔術師はどこからともなく、夜の残党に疑問を投げかけながらやってきた。
遊ばない働き蜂に追いかけられながら、蜂蜜をなめながら。
そんな魔術師が、指先で闇の言葉を作り、口先で闇の呪文を語れば、
庭の植え込みのトカゲが、冬の冷え込みのカエルに変わった。
けれども、それ以上のことは何も起きなかった。
「野良猫の気持ちを言葉に置き換えるほど簡単じゃないんだ」
ワインに酔ったライオンのような目で、一瞬カエルを見つめた。
朝の弾くオルガンの調べに乗っかって、魔術師は歌うように飛び跳ねていった。
帽子も飛ばない風の中を
夜を越えて流れていく
寒空に張り付く泣き虫みたいに
言葉の壁も飛び越えて
水色カエルが飛んでいく
雨も風も気にならない
サイコロもダルマも打ちとけて
風船の踏むタップのように
おはようのドアも飛び越えて
水色カエルが飛んでいく

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