心 の 隙 間 か ら 出 て お い で
憂いの木馬
2006-01-16 Mon 20:28
魔術師はどこからともなく、実りの秋を通り過ぎた冬の中からやってきた。
昨日の順風に乗ったり、明日の逆風に押し戻されたりしながら、
狂った竹馬に乗ってやってきた。
そんな魔術師が、指先で底辺のない三角形を作りながら、
風に呪文を浮かべれば、
呪いの竹馬が憂いの木馬に変わった。
けれども、それ以上のことは何も起こらなかった。
「他人の人生を100度変えるほど簡単じゃないんだ」
冬の作り出す寂しさを通して木馬を見つめた。
無口になった木馬は、黙り込んだ魔術師を乗せて幻の森の中に消えていった。

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