心 の 隙 間 か ら 出 て お い で
夕陽の右隅に
2005-12-19 Mon 21:12
鬼その人のような門番が立ち塞がるゴールを見据え、
未熟な完熟トマトのような穏やかな横顔でボールをセットすると、
キッカーは青い紅葉をひまわりに振りかけるように、
左足を降りぬいた。
地球にとてもよく似た形をしたボールは、鋭く回転して、
三銃士が仲間割れする剣のような音を立てて、
柿色の空に舞った。
やがてボールはゆっくりと落ち、キーパーが夕日に見とれている間、
心に吸い込まれるようにゴールの右隅に吸い込まれていった。
空は馬鹿みたいに柿色に染まり、
彼は、夕日そのもののようにはしゃいでいた。
その目も夕日色に染まっていた。

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