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さよならから始まるゲーム4

「プレイボール」黒の審判が叫んだ。
左チームは左バッターをズラリと並べた打線を組み、
右チームは右バッターをぼんやりと並べてみた打線を組んだ。
そんな伝統の一戦が一回の表を迎えていた。

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さよならから始まるゲーム3

さよならから始まったゲームをツキノワグマが取り囲むかのように、選手は円陣を組み固まった。
けれども、その円陣はどこか角ばっていて四角い円卓会議のようだった。
あるいは、尖った円盤、半径を失った円のように見えた。

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さよならから始まるゲーム2

さよならから始まるゲームに目もくれず、ロボモフはうつむいたまま絵本の中に没頭していた。
「せめてお名前だけでも・・・」狼の少年が、絵本の中で懇願する。
ブラックタイガーはそれでも冷たく言い放った。

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さよならから始まるゲーム

それはサヨナラゲームから始まるゲームのようだった。
「皆さんさようなら」
「気をつけてお帰りください」
「さようなら。会心の勝利でした。寒いから気をつけて」

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紙くずの勇者を乗せた紙船には舵も羅針盤もなかった。
「宙を舞う意志はあるんだし、そのための風もあるんだし」
けれども、風はいつもよりも緑色をしていて、紙船には折り目もなかった。
緑の風が運ぶ横殴りの雪の中を、紙くず船は星を縫うように、雪をかき分け、
ふわふわとしたスピードで、揺れるように空を飛んでいた。
「まだ遅くはないんだし、もう遅くもないんだし」
それでも、雪の空の日はすっかり暮れかかっていて、風の中からまた風が、
今度はよりいっそう緑がかって吹き付けてくるのだった。
みぞれに近い雪が紙船を取り囲み、もてあそぶ中、
なおも、船は国境に近い駅も越えて飛んでいった。
「もう日は沈んでるんだし、それでも気持ちははずんでるんだし」
翼もない紙船は、雪船になっても飛び続けていた。

白鳥の消えた湖

紙くずの勇者は、ニットのゆ冠を目深にかぶり、砂もない砂利道に座っていた。
石ころを冬の湖に投げ込むと、水を打ったように水を3回打って消えていった。
けれども、二度目に投げた時は、
水に当たって真っ直ぐ自分の方に跳ね返ってきた。
彼は驚いて、無口になったアサガオのような顔で天を仰いだ。
どこからともなく、勇者の上から流れ星が一つ、
音もない雨音を抱え込んだイルカの様に通り過ぎていった。
紙くずの勇者は、願い事もせずに光るイルカを見送った。
けれども、流れ星は湖の上に落ちて浮かび、
しばらくしてそれは、白鳥の形を形作った。
光の白鳥は、身じろぎ一つせず雪のように居座っていた。
「ここに帰ってきたんだね・・・」
彼は、呼びかけるでもなく声に出してそう言っていた。
けれども、彼が手を伸ばした瞬間、白鳥は羽音も影も残さず消えていた。
冬の湖は水を打ったような静けさを残し、星の瞬きだけを映していた。

音楽的気分

紙くずの勇者は、夜のかけらにつまずきながら森の中から出てくると、
いきなり鈍器なようなもので殴られたような衝撃を覚えた。
けれども、彼が殴られたのは打楽器だったのだ。
痛く、それにもまして音楽的な気分になった。
そして彼は、歌っていた。誰にも教えてもらってない歌を。
・・・・・
殴り書きの激しい雨が
殴り書きのうれしい靴を履いて
殴り書きの楽しい歌を歌った
殴り書きの慎ましい風の中で
殴り書きの優しい冬が
私の心の中にやってきた
小さな夜が大きな空に向かって
また殴り書きしてる
伝えたいメッセージ
すべては風にかき消されて
・・・・・
彼は、そのような歌を、朝が自分を取り戻すまでの間繰り返し歌っていた。
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junsora(望光憂輔)

Author:junsora(望光憂輔)

おかしな比喩を探し求める内に
いつしか詩を書きはじめました
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今日も散らばって行こう
いつも破り捨てられても

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『ウィキペディア』












































 

「行き先のないバスに乗って
 あてのない旅をしています」

「僕たちは心の旅をまだ
 始めたばかりなんです」



「この場所は自由な場所。
 本当に自由すぎる」
「でもまだ足りないんです」





「春の足音を、
 しばらく前に、聞きました。
 私はもうとけてゆきます」
「大いなる誤解が
 とけていく速度で…」






『落書き』

偶然たどり着いたこの場所
あなたは何を探していたのです

求めるものと目の前にあるもの
それはどれほど違っていても
みかんの色は変わるのです

あなたという存在が
あなたを囲む海や人や森が
歌い励まし騙し傷つける頃
空想の世界の中で
生まれ変わるならば
いつかそれは
求めるものと同じであったか
近づいていくこともあるのでしょう

偶然目に触れた落書きに
こんなことが書いてあるとは
思わなかったでしょう
だからそれを望んで
これを書いたのです

少し時間を
無駄にさせてしまったね






『空白の壁ときみ』

壁が空いているから
ここを詩で埋めようかな

何も書くことはないけれど
何もない時だって
詩を書いていいんだよ

何もなくても
聴きたいときがある
きみの声を

点滅するバスは
行き先を決めかねているけど
もう詩は出発したよ

年中融けない雪だるまが
上で見てるんだ
これでまた融けにくくなった

壁が空いているから
サンドイッチのない詩を
猫に内緒で書いてる

見つかると嫉妬するからね

寝静まった頃静かに書いて
きみもやっぱり静かに読む

見知らぬきみ
またここで落ち合おう

きみの空いてる時間にね






『そんな横顔』

獣のような 大声で
どこかで 叫んだケダモノ
気高さを保ったまま
毛玉を嫌う ケダモノ
そんな生き物が いるのだろうか

僕らは 
不思議な生き物を見るような目で
不思議な生き物を眺めるんだ

1000年前から生きてるみたいに
落ち着いて 慌てない
何でも知ってるような
そんな横顔で
質問には 答えることもない

それでも 僕らは
昨日生まれた ばかりのような
そんな横顔 してたんだから
不思議な生き物 眺めるような
そんな横顔 してたんだから






『片隅』

ノートの片隅に
詩を書いている
誰に見せる
あてもない

頭の片隅に
詩を留めている
未だ現れる
気配はない

カフェの片隅で
詩を書いている
誰に会う
約束もない

世界の片隅で
詩と向き合っている
そうしていると
寂しくもない






『できそこない道』

完成することのない
できそこない道を
僕は歩いている

進んでいるのか
戻っているのか
それさえわからない

それでもかえれない
できそこない道を
僕は歩いている

つまずくことばかり
挫けることばかり
たどりつくこともない

どこにもかえれない
できそこない道を
僕は歩いている






『なきうた』

理由もなく
泣きたくなるのです

二月が終わる頃になると
遥かなる距離を越えて
オレンジの光が
届いたのを知った時

理由もなく
泣きたくなるのです

小さな息吹が
青白い風の中に
溶け込む匂いを知った時

私は生まれるよりも
遥か前のことを
思い出しながら

理由もなく涙を流し
歌わねばならない
という理由において
歌うのです

遠い過去の人である
私の声が
あなたの元へ届く日を
想像したりしながら
























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