さよならから始まるゲーム4
2006-01-24 Tue 22:45
「プレイボール」黒の審判が叫んだ。
左チームは左バッターをズラリと並べた打線を組み、
右チームは右バッターをぼんやりと並べてみた打線を組んだ。
そんな伝統の一戦が一回の表を迎えていた。

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さよならから始まるゲーム3
2006-01-20 Fri 14:29
さよならから始まったゲームをツキノワグマが取り囲むかのように、選手は円陣を組み固まった。
けれども、その円陣はどこか角ばっていて四角い円卓会議のようだった。
あるいは、尖った円盤、半径を失った円のように見えた。
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さよならから始まるゲーム2
2006-01-18 Wed 21:04
さよならから始まるゲームに目もくれず、ロボモフはうつむいたまま絵本の中に没頭していた。
「せめてお名前だけでも・・・」狼の少年が、絵本の中で懇願する。
ブラックタイガーはそれでも冷たく言い放った。

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さよならから始まるゲーム
2006-01-12 Thu 11:00
それはサヨナラゲームから始まるゲームのようだった。
「皆さんさようなら」
「気をつけてお帰りください」
「さようなら。会心の勝利でした。寒いから気をつけて」

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2006-01-02 Mon 14:07
紙くずの勇者を乗せた紙船には舵も羅針盤もなかった。
「宙を舞う意志はあるんだし、そのための風もあるんだし」
けれども、風はいつもよりも緑色をしていて、紙船には折り目もなかった。
緑の風が運ぶ横殴りの雪の中を、紙くず船は星を縫うように、雪をかき分け、
ふわふわとしたスピードで、揺れるように空を飛んでいた。
「まだ遅くはないんだし、もう遅くもないんだし」
それでも、雪の空の日はすっかり暮れかかっていて、風の中からまた風が、
今度はよりいっそう緑がかって吹き付けてくるのだった。
みぞれに近い雪が紙船を取り囲み、もてあそぶ中、
なおも、船は国境に近い駅も越えて飛んでいった。
「もう日は沈んでるんだし、それでも気持ちははずんでるんだし」
翼もない紙船は、雪船になっても飛び続けていた。
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白鳥の消えた湖
2005-12-24 Sat 21:41
紙くずの勇者は、ニットのゆ冠を目深にかぶり、砂もない砂利道に座っていた。
石ころを冬の湖に投げ込むと、水を打ったように水を3回打って消えていった。
けれども、二度目に投げた時は、
水に当たって真っ直ぐ自分の方に跳ね返ってきた。
彼は驚いて、無口になったアサガオのような顔で天を仰いだ。
どこからともなく、勇者の上から流れ星が一つ、
音もない雨音を抱え込んだイルカの様に通り過ぎていった。
紙くずの勇者は、願い事もせずに光るイルカを見送った。
けれども、流れ星は湖の上に落ちて浮かび、
しばらくしてそれは、白鳥の形を形作った。
光の白鳥は、身じろぎ一つせず雪のように居座っていた。
「ここに帰ってきたんだね・・・」
彼は、呼びかけるでもなく声に出してそう言っていた。
けれども、彼が手を伸ばした瞬間、白鳥は羽音も影も残さず消えていた。
冬の湖は水を打ったような静けさを残し、星の瞬きだけを映していた。

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音楽的気分
2005-12-21 Wed 21:28
紙くずの勇者は、夜のかけらにつまずきながら森の中から出てくると、
いきなり鈍器なようなもので殴られたような衝撃を覚えた。
けれども、彼が殴られたのは打楽器だったのだ。
痛く、それにもまして音楽的な気分になった。
そして彼は、歌っていた。誰にも教えてもらってない歌を。
・・・・・
殴り書きの激しい雨が
殴り書きのうれしい靴を履いて
殴り書きの楽しい歌を歌った
殴り書きの慎ましい風の中で
殴り書きの優しい冬が
私の心の中にやってきた
小さな夜が大きな空に向かって
また殴り書きしてる
伝えたいメッセージ
すべては風にかき消されて
・・・・・
彼は、そのような歌を、朝が自分を取り戻すまでの間繰り返し歌っていた。
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